地球上でいちばん好きな「もの」はなにか、と考えたら、僕の場合はサンダルかもしれない。
サンダルの快適さ、気軽さ、自由さ、便利さなどなどを思い浮かべると、「これに並ぶものはない」と自信をもって言える。それに、世界をちょっと斜めから眺めているような、世の中を茶化している感じが好きだ。
さらには、「これを履いて戦争はできないな」という平和さを併せもっている。
僕としては、年中履いていたい履き物なのだ。
思いおこしてみると、子どものころから夏になってビーチサンダル
(当時はゴム草履と呼んでいた)
を履くのが、楽しみのひとつだった。
履きはじめは、必ずや指の間に鼻緒ずれができ、痛い思いをしたものだった。その小さな傷が、夏へのスイッチだったのだ。
アウトドアグッズとしてサンダルが認知されるようになったのは、ストラッピングシステムが採用されるようになってからだ。サンダルの気軽さを失うことなく、簡単には脱げないサンダルが登場してきた。
1980年代半ば、テバが最初だったんじゃないかな。
しかし、当時はサンダルとは思えぬ価格にびっくりした。
そして、サンダルとは思えぬユーティリティの高さと耐久性にも驚いた。また、ソックスを履いたままでもサンダルが履けるので、利用する季節が広がった。
そう。ストラッピングシステムが、サンダルの概念をかえたのだった。
レイドバックな履物、ビーチサンダル
でも、ぼくがいちばん好きなのは、やっぱりふつうの、いわゆるビーチサンダルである。
これこそが、レイドバックな履き物ナンバーワンである。これほどくつろいだ道具を僕はほかに知らない。
街ではもちろん、山への行き帰り、休憩時、キャンプサイトで。なので、バックパックの横のポケットには、いつもサンダルを押しこんでいく。
僕にとって、サンダルはいつの間にか夏のアイテムじゃなくなった。
ただし、夏以外の季節に履いていると、まだまだ世間からは変な目で見られることも多い。
また、満員電車にビーチサンダルで乗りこむと、スーツ姿のサラリーマンたちは、、「なんだこの男は?」
てな顔をしている(それに、革靴で踏まれると声を上げてしまうほど痛い)。
そういう意味でも、サンダルは自由な暮らしのアイコンでもある。
というわけで、無人島へ持っていくものをひとつだけ選べといわれたら、僕は、やっぱりサンダルだな。
世界を斜めから眺めているような感じが好きだ

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